技能者の保有資格を建設キャリアアップシステム(CCUS)に登録するには、技能者登録を「詳細型」で行い、資格1件ごとに修了証・免許証などの証明書類(写し)を添付して申請します。登録後に資格が増えたときは、技能者本人がシステム上の「変更申請」で追加します。所属事業者も、技能者の同意を得れば代わりに申請できます。変更申請に料金はかかりません。
この記事は、社員の資格・講習・選任を管理している総務・人事・安全衛生の担当者向けです。どの資格を登録できるか、証明書類の作り方、追加・更新の手順、レベル判定(能力評価)とのつながり、会社側の準備を、運営主体である一般財団法人建設業振興基金と国土交通省の公表資料をもとに整理しました。料金と手順は2026年10月に確認した内容です。
資格を登録できるのは「詳細型」で登録した技能者
CCUSの技能者登録には、本人情報などの基本情報だけを登録する「簡略型」と、能力評価(レベル判定)の申請に必要な保有資格なども登録する「詳細型」の2つの方式があります。保有資格を載せたいなら詳細型を選びます。
| 方式 | 登録する内容 | 登録料(税込) | 申請方法 |
|---|---|---|---|
| 簡略型 | 本人情報、社会保険・建退共の加入状況などの基本情報 | 2,500円 | インターネット申請のみ |
| 詳細型 | 簡略型の内容に加え、保有資格、健康診断などの情報 | 4,900円 | インターネット申請または認定登録機関での書面申請 |
| 簡略型から詳細型へ移行 | カード発行後に詳細型へ切り替える | 別途2,400円 | メニュー「350_変更」→「30_簡略型から詳細型への移行」 |
登録料がかかるのは新規登録時と10年ごとの更新時です。カードの有効期間は、発行日から発行9年経過後の最初の誕生日までです(申請時60歳以上の人は14年目の誕生日まで、本人確認書類を出していない人は2年目の誕生日まで)。顔写真付きの本人確認書類がない人は、認定登録機関でしか申請できません。
なお、建設業振興基金は2026年9月10日付で「技能者登録方式の詳細型一本化に関するお知らせ」を出しています。このお知らせによると、簡略型の登録申請は2027年3月31日で終わり、2027年4月1日からは新規・更新とも詳細型だけになります。2027年4月1日より前に簡略型で登録した人は、次の更新のときに自動で詳細型へ移ります(移行の申請はそれまでもいつでもできます)。技能者登録料は当分の間、1人4,000円〜4,500円に下げることが想定されていて、新しい料金と手続きの詳細は12月頃に改めて案内される予定です。2026年10月18日時点の料金ページには、まだ上の2方式が載っています。
登録できる資格・講習の範囲
「技能者情報登録申請書」の手引(第4.4版。CCUSサイトの掲載は2026年10月時点で第4.5.1版)では、保有資格を「技能士」「資格・免許」「技能講習」「特別教育」「その他安全衛生講習」の5区分に分けて登録します。登録基幹技能者、研修の受講履歴、表彰はそれぞれ別の欄に入力します。
| 登録欄 | 入力のしかた | 添付する証明書類 |
|---|---|---|
| 保有資格(5区分) | 登録申請書コード表から資格を選ぶ。コード表にない資格は、インターネット申請なら「手入力」を選んで自由記述欄に資格名を書き、紙の申請なら各表の「その他」コードを使って資格名を書く | 資格ごとの証明書類の写し |
| 登録基幹技能者 | 名称・修了証番号・コード番号・修了年月日・有効期限年月日を入力 | 登録基幹技能者講習修了証の表面と裏面 |
| 研修等の受講履歴 | 公共職業訓練、認定職業訓練、業界団体の講習、元請事業者独自の教育などの研修名と団体・会社名、受講年月日 | 研修受講証明書類 |
| 表彰 | コード表から選ぶ。コード表にない表彰はコード「99999」と表彰名 | 表彰証明書類 |
登録申請書コード表は2026年10月9日に第15版へ更新されています。古いコード表を手元に置いたままにせず、CCUSサイトの各種資料から最新版を取り直してください。技能講習と特別教育は別の区分です。社員の修了証がどちらに当たるか迷うときは、特別教育と技能講習の違いで確認してから区分を選ぶと、入力の誤りを防げます。
証明書類(修了証・免許証の写し)の作り方
証明書類の要件は、インターネット申請と認定登録機関での紙の申請で少し違います。どちらの場合も、有効期限のある書類は申請時点で期限内のものに限られます。紙の申請の写しは、カラーでもモノクロでもかまいません。
| 項目 | インターネット申請 | 認定登録機関(紙)申請 |
|---|---|---|
| 形式 | JPGファイル。原則として資格1件につき1ファイル。複数の資格を1ファイルにまとめると不備になる | A4用紙。1つの証明書類につき片面だけを使い、両面コピーはしない |
| 両面・複数ページの証明書 | 1つの資格の証明書が両面や複数ページなら、1つのJPGにまとめてよい | 表面・裏面と中面の両方を1枚のA4にコピーする(中面だけでは技能講習か特別教育か判別できないため) |
| 1枚の修了証明書に複数の講習が載っている場合 | インターネット申請ガイダンスには個別の記載がない(原則は資格1件につき1ファイル) | 同じ写しを資格の数だけ用意し、それぞれにその資格のコード番号を1つだけ書く |
| コード番号 | 画面で資格を選ぶ | 写しの右横に記入する。書き忘れると「証明書類の確認なし」で登録される |
添付書類に、健康保険の被保険者記号・番号、マイナンバー、基礎年金番号、本人以外の個人情報などが写っている場合は、消してから(マスキングしてから)添付します。資格証の日付は、①有効期限、②取得年月日、③登録・交付年月日の優先順で選んで入力します。
資格を追加・更新したときの変更申請
新しく技能講習を修了した、免許を取った、有効期限のある資格を更新した、といったときは変更申請をします。技能者向けご利用ガイダンス(2026年5月7日 第3.0.0版)による手順は次のとおりです。
- 技能者IDでログインし、「350_変更」→「10_変更申請」を選ぶ。
- 保有資格等の「明細登録」を押し、CCUS資格コードがある資格は「選択画面から選択」、ない資格は「手入力」を選ぶ。
- コードがある資格は、分類を選んで検索するか、コード表の番号を直接入れて検索し、該当する資格を選ぶ。コードがない資格も同じ選択画面で検索・設定したあと、「自由記述」欄に資格名を書く。
- 日付の種類(有効期限・取得・登録)を選び、年月日を入れる。「技能講習修了証明書」のスイッチは、原則として初期設定の「対象外」のままにする。
- 証明書類のファイルを添付して「設定」を押す。
- 区分ごとに「主」たる資格を1つ選ぶ。これを選んでいないと、申請時にエラーになる。
- 「内容確認へ」で変更箇所を確かめ、「申請」を押す。
「申請」を押したあとは、審査が終わるまで内容を直せません。審査期間は不備がなければ約2週間で、状況によってはもっとかかります。不備の通知メールが届いたら「350_変更」→「20_申請の修正」から直します。このとき「10_変更申請」を押すと、不備のあった申請が取り下げになり、最初からやり直しになります。
変更申請は無料です。カード券面に印字されるのは技能者ID・顔写真・氏名・初期登録年・カード有効期限・生年月で、保有資格は印字されません。カードの再発行が必要になるのは券面の氏名を変えた場合などで、紛失・破損・券面書換えの再発行は実費1,000円です。
レベル判定(能力評価)との関係
能力評価は、「建設技能者の能力評価制度に関する告示」(平成31年国土交通省告示第460号)とガイドラインに基づく制度です。専門工事業団体などがつくり国土交通大臣が認定した能力評価基準に沿って、職種ごとの能力評価実施団体が評価します。評価結果はレベル1〜4の4段階で、カードの色がレベルを表します。
| レベル | 目安となる技能者像 |
|---|---|
| レベル1 | 初級技能者(見習いの技能者) |
| レベル2 | 中堅技能者(一人前の技能者) |
| レベル3 | 職長として現場に従事できる技能者 |
| レベル4 | 高度なマネジメント能力を有する技能者(登録基幹技能者等) |
評価には、CCUSに蓄積された就業日数、CCUSに登録された保有資格(講習・研修・表彰を含む)、職長・班長としての就業日数が使われます。ガイドラインは、基準に使う保有資格を「CCUSに登録し、確認できるもの」に限っています。資格を登録していなければ、レベルアップのための能力評価は申請できません。
ただし、資格を登録しただけでレベルが上がるわけではありません。能力評価はCCUSの変更申請とは別の手続きで、各能力評価実施団体に申請します。所属事業者が代わりに申請することもできます。国土交通省の申請の手引きに載っている基本の提出書類は、CCUS技能者登録画面の写し、能力評価申請書兼キャリアアップカード交付申請書、手数料の振込明細、個人情報利用同意書と、経歴証明を使う場合の経歴証明書です。様式や手数料は団体によって違います。
2026年9月に「鉄骨」が加わり、能力評価基準は51分野になりました(「型枠解体」は10月23日、「鉄骨」は11月13日に受付開始の予定)。評価を受けるには、CCUSに登録した職種(大分類・小分類コード)が評価対象の職種に当たっている必要があります。
CCUSを使い始める前の経験は、所属事業者などの経歴証明で補えます。経歴証明付きの申請書を出せるのは令和11年3月31日まで、証明できるのは令和6年3月31日までの経験です。経歴証明の起算点は、建設業に関する保有資格の取得年月日などが属する月が基本で、この取得年月日はCCUSに登録されていれば簡単に確認できます。古い資格も取得年月日を正しく登録しておくと、この確認に使えます。
新しく技能者登録する人なら、技能者登録と能力評価をまとめて申し込む「ワンストップ申請」も使えます。ワンストップ申請は、事業者によるインターネット代行申請に限られ、詳細型での登録と経歴証明による申請が前提です。建設業振興基金は2026年4月1日から当面の間、ワンストップ申請の能力評価手数料3,000円を全額支援しています。技能者登録料(詳細型)4,900円は支援の対象外です。
会社(事業者)側でやること
社員の資格登録を会社でまとめて進めるには、まず事業者登録をして管理者IDを持つ必要があります。そのうえで、技能者登録の代行申請や、登録済みの技能者の変更代行申請を行います。
| 手続き | 流れ・注意点 |
|---|---|
| 事業者登録 | 建設業許可通知書などを添えて申請する。登録の有効期限は5年 |
| 技能者登録の代行申請 | 技能者本人の同意を得て所属事業者が申請する。建設業振興基金は、社会保険などの情報を正しく登録するため、雇用事業主による代行申請を勧めている |
| 資格追加の変更代行申請 | ①事業者が「710_代行申請」→「30_技能者の変更代行申請同意依頼」で同意を依頼、②技能者が同意、③事業者が「31_技能者の変更代行」で申請、の順に進める。代行できる期間は技能者の同意から2か月。顔写真は変更できない |
| 費用項目 | 金額(税込) |
|---|---|
| 事業者登録料(5年ごと) | 資本金で決まる。一人親方0円、500万円未満(個人事業主を含む)6,000円、1億円以上3億円未満120,000円、500億円以上2,400,000円など |
| 管理者ID利用料(毎年) | 1IDあたり11,400円(一人親方は2,400円)。現場管理者として登録したIDは無料。代行登録担当者のIDは当面の間無料 |
| 現場利用料(元請事業者) | 1人日・1現場あたり10円 |
社内では、資格台帳とCCUSの登録内容を定期的に突き合わせると漏れを防げます。たとえば、技能講習や特別教育の修了証を受け取った時点で資格1件ずつJPGにし、変更代行申請までを一続きの作業にしておく方法があります。一人親方が能力評価を受けるには、技能者登録に加えて事業者登録も必要です。
よくある質問
Q. 資格を追加するたびに料金はかかりますか?
変更申請は無料です。ただし、簡略型で登録している人は保有資格を登録できないため、先に詳細型へ移行する必要があり、そのとき2,400円かかります。
Q. コード表にない民間講習や社内教育も登録できますか?
保有資格としては「手入力」(紙の申請は「その他」コード)で登録できます。業界団体の講習や元請事業者独自の教育は、研修等の受講履歴の欄にも登録できます。能力評価で評価されるかどうかは職種ごとの能力評価基準によります。ガイドラインでは、民間資格を基準に使えるのは、資格要件や考査などで一定の客観性があるものに限られています。
Q. 会社が社員に代わって資格を追加できますか?
できます。所属事業者が同意を依頼し、技能者が同意すると、その後2か月間は事業者側で変更代行申請ができます。期限を過ぎたら同意を依頼し直します。
Q. 資格を登録すればカードの色は自動で変わりますか?
変わりません。レベルを上げるには、能力評価実施団体に能力評価を申請する必要があります。評価が終わると、結果通知書とともに新しいレベルのカードが交付されます。
💡 社員の資格・講習を管理している方へ。有効期限が自動で色分けされる管理台帳テンプレート(Excel)を無料で配布しています。
まとめ
- 保有資格を登録できるのは詳細型(4,900円)の技能者です。簡略型から移行する場合は2,400円かかります。2027年4月1日からは詳細型に一本化される予定です。
- 証明書類は資格1件ごとに用意します。インターネット申請はJPGで1資格1ファイル、紙の申請はA4片面にコード番号を書き添えます。
- 資格が増えたり更新したりしたときは、「350_変更」→「10_変更申請」から無料で追加できます。審査は不備がなければ約2週間です。
- 能力評価で使われるのはCCUSに登録・確認された資格だけです。ただし、評価は能力評価実施団体に別途申請します。
- 会社は事業者登録と管理者IDを用意し、同意を得てから変更代行申請を行います。代行できるのは同意から2か月間です。
出典
- 建設技能者の能力評価制度に関する告示(平成31年国土交通省告示第460号)
- 国土交通省「建設技能者の能力評価制度に関するガイドライン」(令和7年7月1日改訂)
- 国土交通省「建設技能者の能力評価制度における申請の手引き」(令和5年6月14日変更)
- 国土交通省「【CCUSポータル】能力評価制度について」
- 建設業振興基金「ご利用方法・料金」(建設キャリアアップシステム)
- 建設業振興基金「建設キャリアアップシステム ご利用ガイダンス 技能者」(2026年5月7日 第3.0.0版)
- 建設業振興基金「インターネット申請ガイダンス 技能者情報登録 Section2 申請準備」(2026年1月5日)
- 建設業振興基金「技能者情報登録申請書の手引」(第4.4版。2026年10月時点の掲載版は第4.5.1版)
- 建設業振興基金「技能者登録と能力評価手続きの同時申込」
- 建設業振興基金「現場運用マニュアル ポイント抜粋版 所属事業者による技能者の変更代行申請のつくり方」(2025年10月20日)
- 建設業振興基金「最新情報」(登録申請書コード表第15版の更新、技能者登録方式の詳細型一本化に関するお知らせ)
制度は改正されます。業種・事業場の規模・作業内容によって扱いが変わるため、実際の適用は所轄の労働基準監督署・都道府県労働局・消防署・講習の実施機関で必ずご確認ください。

